Script database and Japanese screenwriters in Japanese broadcast programs and animation

このサイトは平成・昭和などを彩った脚本・脚本家をアーカイブ化したウェブサイトです。脚本家たちの人となりや、脚本データ、来歴や作品歴をご覧いただけます。

「淋しいのはお前だけじゃない」(82年、TBS)

Work Title 「淋しいのはお前だけじゃない」(82年、TBS)
Phonetic Pronunciation -
Period -
Author 市川森一
Summary ●作品紹介 サラ金(サラリーマン金融)と大衆演劇を素材にして、奇想天外なドラマ作りで話題をさらった「淋しいのはお前だけじゃない」。TBS系列の「金曜ドラマ」枠で放送され、週末のお茶の間を賑わせた。本作ファンには「さびおま」と愛称で呼ばれていたという。 物語の主人公は、ふとしたことで借金地獄に追い込まれ、旅芝居の一座に足を踏み入れた元サラ金業者。義理と人情が息づく大衆演劇の世界で、男は次第に変貌を遂げていく。 零細サラ金「パラダイスローンズ」を営む沼田薫(西田敏行)は、取り立ての名人という触れ込みのわりに業績はいまひとつ。妻のよし江(泉ピン子)と二人、ほそぼそと暮らしていた。そんな沼田に、広域指定暴力団・青龍会幹部で大手サラ金会社の影のオーナーでもある国分英樹(財津一郎)から依頼が入る。面倒を見ていた女・由良常子(木の実ナナ)が竹村市太郎という旅役者(梅沢富美男)と駆け落ちしたため、コケにされた国分が腹を立て、慰謝料2000万円を二人から取り立ててくれというのである。 沼田はさっそく常子と市太郎の足取りを追い、駆け落ち先の四万温泉へと向かった。二人を見つけものの、常子は沼田が幼い頃に世話になった花村月之丞の娘だとわかる。沼田は常子と市太郎を救うことに方向転換し、国分相手に一芝居打つことにした。 ところが、相手は一枚も二枚も上手で、逆に沼田が2000万円の借金の保証人にされてしまう。沼田たちは生き延びるために、旅芝居の一座を旗揚げした。はたして、彼らは旅芝居で鍛えた演技力とチーム力で、借金地獄から抜け出すことができるのか...。 主演の西田敏行も新劇出身の俳優だが、本物の大衆演劇の人気女形で“下町の玉三郎”こと梅沢富美男が出演したことでも注目された。また、劇中劇として毎回、「一本刀土俵入」「瞼の母」「名月赤城山」「切られ与三郎」「梅川忠兵衛」をはじめ、お馴染みの舞台演目がテレビ画面で繰り広げられた。出演者たちが芝居小屋で実際に上演し、木戸銭を払った観客も巻き込んで舞台中継するという熱の入れようだった。その延長線上で、本作は2001年に「TBS名作ドラマシリーズ第一弾」として舞台化されている。 本作は同局制作の「港町純情シネマ」(80年)と同じく、脚本・市川森一、プロデュース&演出・高橋一郎、主演・西田敏行がタッグを組んで制作された。同トリオでの3部作としてシェイクスピア劇を素材にした第3弾を企画していたが、幻として終わった。 第1回向田邦子賞(市川森一)、第15回テレビ大賞、ギャラクシー賞などを受賞。
この作品の脚本